技術情報@ スパッタについて
かなり気まぐれで作製
蒸着に比べて原理がやや理解しにくいスパッタについてその原理を簡単に解説します。
その昔、スパッタ現象は放電によってできたプラズマからマイクロアーク放電?によって局所的に蒸着現象が起きてこれが基板側に達して成膜されていると考えられていたそうです。このモデルは、ターゲット面で沢山の小さな蒸着源が存在しているというものです。確かにこのモデルで考えても結果的には平面的な蒸着源からの成膜となるので理解しやすかったのかもしれません。
しかし、実際のスパッタ現象はターゲットからマイクロアークで蒸着されているわけではありません。
プラズマとターゲット及び基板との関係を簡単にパワポで作ったものがあるのでこちらからダウンロードしてください。
スライドですぐに理解できるかはスライドを作った私の腕次第なのかもしれませんが、とにかくよくわからないと思います。
大事なのはスパッタは、アルゴンイオンなどの陽イオンがターゲットに突進してターゲット原子(原子の集団を含む)を弾き飛ばすということです。実際のスパッタでは、ターゲットとプラズマ間のDC的な電位差や真空度、流す電流量などパラメータは多岐にわたっています。
また、活性金属の純金属ターゲットを使って酸化物や窒化物の化合物を成膜する反応性スパッタ等もあります。これは、弾き飛ばされてた純金属原子と真空中に添加した酸素や窒素ガスを反応させて基板に到達するころには酸化物や窒化物にしてしまおうという結構わかりやすい原理のスパッタ方法です。
現在、放電の持続性などからスパッタ装置ではほとんどの場合平板のマグネトロンスパッタ方式が採用されています。これは磁界のトンネルを形成して電子のループ軌道をつくり、放電の持続性を改善したものです。高真空側での放電持続性は劇的に改善されますが、その分放電がドーナッツ状になってしまうという特徴を持っています。
因みに、エッチング装置などは均一な放電がほしいのでマグネットはあまり使われないようです。